VCO(電圧制御発振)回路設計


VCOは電圧制御発振回路と呼ばれています。コントロール電圧(VT)を変化させることにより発振周波数を変化させるものです。
VCOの設計で注意しなければならないのは次図に示すように、発振周波数と制御電圧が直線性をもつこと。発振出力は一定であることが望ましいのです。
図1は発振周波数と制御電圧の関係を表しています。VFカーブと呼ばれています。(以下VFカーブに統一します。)
VCOは大方、PLLループの中で使用されます。VFカーブが一定でないと、PLLのロックアップ時間が周波数で変化したり、
またFM変調をかける場合、周波数によって変調度が変わってしまう可能性がありますので、
VFカーブが直線性をもっていることは重要な特性になります。
また異常発振があるとこのVFカーブが、直線にならないこともよくあることです。またC/N特性も考慮しなければなりません。



図1


回路の一例を図2に示します。この回路は400MHz帯の特定小電力トランシーバに使用されているものです。
周波数を変化させる可変容量ダイオードを2個使っています。1つは、周波数を変化させるもの。もう1つはFM変調を
かけるのに使用しています。電源電圧は、3Vです。発振周波数は420MHzから440MHz帯まで変化させています。


図2

HVU350(日立)は周波数変化用、1SV214(東芝)は変調用です。
回路自体はLC発振回路です。またVTから直流電圧0V〜3Vを加えることにより、420〜440MHzの発振出力を
OUTより得ています。

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