無線入門
高周波回路は難しいとよく言われています。一般の電子回路やオーディオ回路との違いは何でしょうか?
回路を作り、実験をするとあれっ!!、動作しない。。。という経験を持たれる方も多いことと思います。
無線回路を設計する時や、無線モジュールを使うときの注意点を説明していきたいと思います。
一般の電子回路と高周波回路との違いは、なんといっても扱う信号の周波数の違いにあります。
この周波数の違いこそが、高周波回路を難解にしている第一の要因なのです。
最近はロジック回路も処理速度が早くなり、クロック周波数も高くなってきています。高周波回路の知識も必要になってきいるのも
事実です。
高周波信号とは何でしょうか?
高周波は、文字の通り、高い周波数の電気信号です。電子回路、無線通信の分野では、
電波として利用できる30kHz〜300GHの無線周波数の信号をさします。
その周波数範囲も、広いく。扱う周波数によってふるまいも変わってきます。
●周波数の単位
周波数の単位は、Hzを用います。1Hzは1秒間に1周期の交流信号です。
Hzで統一される前にはサイクルを使っていました。
30kHz以上の高周波信号は、1秒間に3万回以上の電気振動を繰り返しているのです。
周波数の単位は以下の表1の通りです。
単位 | 大きさ |
KHz | 10^3Hz 1kHz=1000Hz |
MHz | 10^6Hz 1MHz=1000000Hz |
GHz | 10^9Hz 1GHz=1000000000Hz |
●波長と周波数の関係は?
電波の伝播速度、真空中でおおよそ30万kmです。 (毎秒、3X10^8センチメートル)
例えば、300KHzでは1波長は、1000メートルです。3000MHzでは1波長は0.01メートルです。
このように波長の大きく違ってきます。300KHzの無線機の設計で数10センチの配線長は気にならなくても、
3000MHzでは、1波長くらいの長さになってしまいアンテナとして動作してしまうことがあります。
このように一言で高周波信号といっても扱う周波数で、基板の配線長や電気部品も違い、気を配る事柄も違ってくるのです。
●高周波信号の振る舞い
数GHzと周波数が高くなればなるほど、部品や基板パターンの寄生容量、寄生インダクターの影響を受けやすくなります。
増幅回路(アンプ)を作った場合に、この寄生容量で帰還が起こり、発振を起こしうまく動作しなってしまったと、
経験されている方も多いのはないでしょうか?
基板パターンや配線がアンテナの役目をし、電波として空間の放射されてしまうことがあります。この不要な電波の放射は、
テレビやラジオ、他の無線通信にに妨害を与えたりしてしまします。
基板内部での電波放射は、重要な他の回路に回り込んでしまい、目的とする性能を出せないことがあるのです。
送信機の開発現場では、ダミーロード(50オームの負荷)の時は、変調特性(歪やSN比がよい)よいのですが、
アンテナを接続すると、変調器や発振器に回り込み変調特性が悪化し、歪やSN比が悪化を招くのはよく経験するところです。
回路設計や無線モジュールを使用して、高周波信号を扱う場合、注意しなければならない事柄がたくさんあり、
このことが非常に難解にしているのも事実ではないでしょうか?
電波は表2のように無線周波数によって、名称がつけられています。
周波数 | 名称 | 備考 |
30KHz〜300KHz | LF | 長波 Low freqencyの略 |
300KHz〜3MHz | MF | 中波 MedIum freqencyの略 |
3MHz〜30MHz | HF | 短波 high freqencyの略 |
30MHz〜300MHz | VHF | 超短波 Very high freqencyの略 |
300MHz〜3GHz | UHF | 極超短波 Ultra high frequencyの略 |
3GHz〜30GHz | SHF | マイクロ波 Supper high freqencyの略 |
30GHz〜 | EHF | ミリ波 EXttremery high Freqencyの略 |